完璧主義をやめたい!完璧主義のストレスや原因とその治し方

心理・メンタル

こんにちは。
心理カウンセラーの幸跡です。

周りの人から完璧主義と言われたことはないでしょうか。この記事をご覧いただいているということは、少なからず自分は完璧主義であるという自覚があり、そしてそこに抵抗を感じているのではないかと思います。

完璧主義の人はどうしてストレスを抱えやすいのか、そのストレスとなる要因は何なのか。また完璧主義から脱却するためにはどうすればよいのかなど、今回もじっくり考察していきます。

いろいろな場面で完璧主義な自分が顔を出すと思います。そして「もっと気楽に考えられたら過ごしやすいんだろうな」なんて感じることもあるかもしれません。そんな方々へ、今回の記事が一考のきっかけになれば幸いです。



実在しないものを見て生まれる苦しみ

完璧主義をやめたい、完璧主義により必要以上のストレスを感じてしまうという人にはある共通点があります。まずひとつは、「完璧や理想を実在するものとして捉えている」ということ。そしてもうひとつは「現実の自分を受け入れられていない」ということです。

ひとつずつ見ていきます。

完璧や理想を実在するものとしてとらえている

強くありたい、賢くありたい、みんなから愛されたい、尊敬されたい。求める完璧や理想はそれぞれでも、そういった理想はその人の頭の中にだけ、空想世界の中にだけあるものです。ただ、完璧主事で苦しむ人たちはそれがまるで現実世界に実在するものかのように捉えてしまいます。

まるで完璧な自分が実在していて、今の自分と比較しては今の自分が未熟で不完全のように感じてしまいもどかしくなる。そして完璧な自分から見た今の自分に嫌気がさし自己嫌悪に陥ってしまいます。

現実の自分を受け入れられていない

その結果、いつも注目しているのは完璧な自分ばかりで現実を生きる自分が見えなくなっていきます。ここでその理想と現実のギャップに耐えられない人は、空想世界の完璧な自分であろうとするばかりに現実世界で不正や犯罪を犯したり、自分を大きく見せるために嘘をついたり虚勢をはったりします。

つまりまったく現実の自分を受け入れられず、完璧にほど遠い自分を許せず好きになることができなくなっているということです。人間が豊かに幸せに暮らすための入り口は自分を好きになることから。自分を好きになれないことは人間の最大の不幸だと思います。


主義とは曲げることなく持ち続ける信念であり、その人の物の見方や決断の基準となるもの。完璧主義というのは、言わば空想の世界にしかない完璧や理想を基準として現実の物事を見たり決断したりすることです。

100点が基準とされ100点が当たり前の世界。それでは成長も感じられず成功体験も存在せず、どんなに努力してもあるのは現状維持とマイナスだけ。どれほど生きにくい世界か直感的にもわかりますよね。

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なぜ完璧主義はストレスとなるのか

それではなぜ完璧主義がストレスとなるのか、また完璧主義になってしまう要因は何なのかを具体的に考えていきます。

頭の中だけにある空想の完璧や理想を見て、いつもそこから差し引くような形で現実の自分を見る。いつもマイナスをつけられた現実の自分を見て苦しむ。完璧主義のストレスの要因は、人間が誰でも持つ劣等感です。

◆劣等感によるストレス

完璧を目指し続ける努力に疲れるから。周りより人一倍神経質になるから。完璧主義のストレスとなる要因はいくつか思いつくかと思います。ではなぜ完璧を目指す努力をするのか、人一倍神経質になるのか。それは理想と現実のギャップから生まれる劣等感を補うためです。

少なからず人間は必ず劣等感を持ちそれを補うことで成長を続けますが、完璧主義の人たちが抱える劣等感は強烈なので、その分人一倍ストレスも大きくなります。

そのストレスを成長のもとと捉えて努力を続けられる人は、大きく成長を遂げると思います。ただ、そのためには「現実の自分を受け入れられていること」が前提条件。不完全な現実の自分を受け入れられるから、完全な自分に向けてプラスに向けて努力ができるんです。

でももし不完全な自分を受け入れられず常に100点を基準に今の自分を評価し続けているとしたら。どんなに頑張ってもマイナスの自分であることを思い知らされる繰り返しになります。

◆理想は果てしないもの

なぜなら、理想は宇宙の膨張のようなもので、生きてる内に一生追いつけることはないからです。当時理想の自分と思っていた場所に到達したとしても、そのときにはまた遥か先に次の理想が広がっています。そしてまた次の理想から現実の自分を見て、その劣等感に苦しむことになります。

完璧主義の人は、理想や宇宙の果てを「モノ」として見ていてそれらを手に入れなければ自分を認められないと考えます。でもここで考えるべきは、その理想や宇宙の果てを「コト」として意識すること。つまり、その理想や宇宙の果てがあることによって、自分がどんな体験ができてどう変わっていけるのかを意識するということです。

理想に向かう過程でもっと強く賢くなります。昨日できなかったことが今日できるようになります。宇宙の果てが広がり続けることで、自分ももっと成長できるという喜びを知ります。

理想なんて叶わなくてもいいし、宇宙の果てなんてたどり着けなくてもいいんです。ただそこに向かう過程で自分がどう成長しどう世界の見え方が変わっていくか、そこにしっかり人生の意味や幸せを感じられればいいんです。



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現実と理想を区別する

理想を掲げその理想を目指すことは悪いことではないし、人間はどんな種類のものであれ必ずどこかしらの理想に向かって生きています。ただ問題なのは、理想の自分から現実の自分をマイナスして見てしまうこと。理想と現実を区別して見れないことにあります。

大切なことは、何が何でもまずは現実の自分をしっかり見て受け入れること。現実の自分しか実在しないとうことをしっかり意識して、「未熟で不完全な現実の自分が完璧な理想を追いかけている」という構図をしっかり自覚することではないかと思います。

◆-50点ではなく+50点の自分

どんな優れた人でも、生きている内に完璧な自分になることはできません。できることは、そこに近づく努力をすることだけです。もし今の自分が完璧だと思うなら、何の劣等感も感じなくなったなら、それは完璧になったのではなく不完全のまま成長する意欲を失くしただけということです。

完璧主義をやめたいなら、そのストレスから解放されたいなら、不完全で常に劣等感を持ち続ける自分を愛することです。無理に肯定するのでも開き直ったり自分を卑下したりするのでもなく、ただ今の自分の状態をそのまま受け入れることです。

これは理想を捨てることでも今の自分に満足して怠惰に生きるということでもありません。今が50点の自分なら、100点から見た-50点の自分ではなく、100点に向かう途中で0点から+50点になった今の自分を見てしっかり認めるということです。そしてそこから更に100点を目指していくということです。

実在しない理想から差し引かれた現実の自分を見て、常にマイナスの自分として過ごす
■実在する現実から理想へ進んでいく自分を見て、プラスになっていく自分として過ごす

精神上どちらが安定し豊かになるかは一目瞭然ではないかと思います。そして完璧主義の人は決まって前者の生き方をしています。

完璧主義であることにストレスを感じ脱却したいと考えるなら、どうか不完全で弱く未熟な自分を愛してほしいと思います。そして成長を実感しながら、今の自分が100点に向かうその過程を大切にしてほしいと願います。

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最後に

完璧主義の人の共通点として「完璧や理想を実在するものとして捉えている」「現実の自分を受け入れられていない」というふたつの特徴が見られます。

もし現実の自分を受け入れられず完璧で理想的な自分から常に今の自分をマイナスして見ているとしたら、いつまでも自信を持つことはできず延々と終わることのない劣等感に苛まれ、そのストレスは計り知れないものになります。

理想はあくまで理想。今自分が生きているのはこの現実であり、自分の力で変えていくことができるのもこの現実だけ。理想から現実を差し引いて常にマイナスの自分を見るのではなく、現実から理想へ向かいプラスになっていく自分を見る。

完璧主義を脱却しもっと素直にありのままの自分を受け入れるその過程で、たくさんの自分の幸せに気づけることを願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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