過去を忘れたい、一歩踏み出せない。前を向くために必要なこと

心理・メンタル

こんにちは。
心理カウンセラーの幸跡です。

忘れられない過去があり、そのために次の一歩を踏み出すことができない。多くの人が体験したことがあるのではないかと思います。

恐怖があり不安があり喪失感があり、自分が生きている今がすべて過去によって縛られ決められてしまっているような気持ちにもなりますよね。

今回は、そんなときに前を向くために必要な心構え、辛い過去から脱却ししっかり未来に向けた今を生きるにはどうすればよいかについて考えていきます。

この記事が少しでも次の一歩を踏み出す手助けになれば幸いです。



今の思考や行動を決めているのは何か?

たとえば石は手を放せば下に落ちます。枝は風が吹けば揺れるし、雨が降れば地面は濡れ、手を叩けばパンっと音が鳴ります。落ちる、揺れる、濡れる、音が鳴る、これらはすべてその前にあった出来事の原因によって起こっているものです。

つまりそれぞれの今が過去の原因によって決まっているということです。自然や物理の世界ではこれは当たり前のことで、今の結果には何か原因があるからと考えます。

ただこの事実は人間に当てはめることはできません。なぜなら、人間には理想があり精神があり感情があり、そして性格や個性、信念などもあるからです。そして何より、人間には「今よりよくありたい」という根本的な欲求が大前提としてあるからです。

つまりその原因に対して、自分の理想や精神・感情を使ってどう考えるかどう捉えるかができるということです。

◆今を決める理想や目標

もしひとつの原因だけがその人の今を決めてしまうなら、その人は一生変わることもできないし過去の奴隷のようになってしまいます。「○○のせいで」「○○だから仕方ない」と正当化や言い訳の中で生きていかなくてはならなくなります。

はっきりとお伝えしたいのは、過去に起こった原因がその人の今を決めるのではないということ。今を決めているのは、頭の中にある理想であり目標であり目的です。「~があったから」今を生きているのではなく、「~したいから」今を生きているんです。

だからこそ人は変われるし、失敗を挽回することができるし、ピンチの中にチャンスを見ることができるし、逆境や劣等感をバネにして成長することができるんです。

過去にあった原因が今を決めてしまう。だからどうすることもできない、仕方ない。そう考えてしまうと忘れたい過去はいつまでも忘れたい過去のまま、そしてそこから一歩踏み出すこともできません。

人によって変わる今・未来

同じような過去を体験しているからといって、その人の今が同じになるとは限りません。貧しい家庭で生まれた子どもがみんな貧しいままとは限らないし、いじめられた子どもがみんな暗くなり閉じこもるわけでもありません。

ではどうして人によって結果に違いが出るのか、同じ”原因”があるのにどうして今や未来が変わってくるのか。それが人間が常に理想や目標に向かって生きていることの証になります。

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◆ふたりの貧しい子ども

たとえば別々の貧しい家庭に生まれた子どもがいたとします。何か問題を抱えるたびに「自分は貧乏だから仕方ない」とその問題から逃げ続ける子と「貧乏かどうかは関係ない、貧乏だからこそ人一倍努力しよう」とその問題と向き合う子。大人になったとき違いが出るのは明白です。

逃げ続けた子は大人になったとき「自分の人生が暗いのは貧乏だったから仕方ない」と言うだろうし、しっかり向き合ってきた子は「貧乏だったおかげで自分の人生は明るくなった」と言うでしょう。

どちらの子も、これはその都度自分の理想や目標によって今を生きてきた結果なんです。逃げ続けてきた子は、きっとその度に周りの人に守ってもらえたのでしょう。そして「自分は貧乏だから」と言えば周りが自分のために動いてくれるということ学び、大人になっても問題は他人に解決してもらいたいという理想や目標を追いかけ続けることになります。

しっかり問題と向き合って自分の力で乗り越えてきた子は、貧しいかどうかは人間の価値や未来には関係ないということ、自分の力で人生を変えていけることを学び、これからも健全な理想や目標によって今を生きていくと思います。

◆今の行動は未来の理想や目標に向かっている

人の今が原因によってすべて決まってしまうなら、このふたりの子どもは「貧しさ」という原因によって同じ今を過ごし同じ未来を迎えていたはずです。

ここでこのふたりの子どもの今や未来を別の方向に進ませたのが、それぞれ違う理想であり目標でありそれぞれの信念なのです。ふたりともずっと「~があったから」今を生きてきたのではなく、「~したいから」今を生きてきたということです。

今を決めているのは過去の原因ではなく未来にある理想や目標。過去にあった原因に突き動かされ今行動しているのではなく、未来の理想や目標に向かって今行動している。これが人間の行動の正しい理解なのではないかと思います。




行動の理由の意味を変える

人間が今している行動には必ず何かしらの理由がありますが、その理由を「過去に突き動かされている」と考えるか「未来の理想に向かっている」と考えるかで大きく意味が変わってきます。

「過去に突き動かされている」と考える場合

・自分では変えることができない
・自分を被害者のように感じ問題の解決を他人に依存する
・新しい行動への活力を奪う
・自分の意志ではないと考えるため言い訳や正当化をしてしまう
・人生は変えられないものという後ろ向きな態度になる

「未来の理想に向かっている」と考える場合

・自分で変えていくことができる
・創造者、当事者の意識が生まれ自立して問題と向き合う
・新しい行動への活力を与える
・自分の意志で動くため言い訳や正当化をする必要がない
・人生を自分で変えていけるという前向きな態度になる

一番大きな違いは、自分で変えていけるか、変えられないかというところではないかと思います。過去に起こったことが今を決めていると考えてしまうと、もう自分ではどうすることもできません。ただ、未来に向かって今を生きていると考えると、自分でどうにでも変えていくことができます。

◆言い訳に使われる原因

過去の原因により今が決まってしまうと考える人は、多くの場合うまくいかない現状や問題から逃げ出すための言い訳や正当化としてその原因を持ち出します。「今うまくいかないのは過去に○○があったからだ。だから仕方ない。それをわかってほしい。」というように。

これでは身動きが取れず次の一歩を踏み出すことができません。では原因をうまくいかない現状の言い訳としないためにはどうすればよいか、人間の行動の理由が「未来の理想に向かっていること」と考えるにはどうすればよいか。2つほど具体例をあげながら考えてみます。

例:文句を言われてカッとなった

誰かと話している内に意見がだんだんすれ違いその内口論となった。相手が自分への個人的な文句を言ってきたため、それに対してカッとなって言い返した。

この場合、怒った理由は「相手が文句を言ってきたから」です。相手が文句を言ってきたという原因があったから怒って言い返したということになります。もし人間の行動の理由がすべて原因にあると考えるなら、相手が文句を言ってくるたびに怒らなければならないしそれは変えられない絶対的なものになります。

でも、文句を言われても怒らず冷静に話そうとする人もいれば気にせず無視しようとする人もいますよね。それではこの人が怒った理由を原因ではなく理想や目的に沿ったものと考えるとどうなるか。

まず、文句を言われたから怒ったのではなく、自分の正しさを主張し相手に理解させるために怒ったと考えます。「文句を言われたから」という原因ではなく、「自分が正しいことを相手に理解させるため」という目的のために怒ったと考えるのです。

そこにある理想は「自分は他人に屈してはならない」というものかもしれないし、「自分はしっかり正義を主張できる人でありたい」というものかもしれません。その理想に向かっての行動が、ここでいう「カッとなって言い返す」というものだったのです。

怒った理由が「文句を言われたから」ではなく「正しさを主張するため」であるなら、特に怒る必要はないですよね。ただ冷静に自分の意見を伝えればいいだけです。なのでこの人は、怒って強引に自分の正しさを主張するために、「相手が文句を言ってきたから」という原因を言い訳として持ち出しているだけということになります。

例:認めてもらえないから自分に自信が持てない

仕事で良い結果を出した、学校で良い成績を取った。でも上司や同僚、親や教師は認めてくれない。だから自分に自信を持つことができない。

この場合も、自分に自信が持てない理由を「成果を認めてもらえないから」という原因として見ています。ただ、自分の仕事の成果が次の利益につながった、良い成績のおかげで志望校には入れる可能性が高まったなどからしっかり自信をつける人もいます。

この場合は、認めてもらえないから自分に自信が持てないのではなく、自分に自信を持たないようにするという目的のために「認めてもらえない」ことを口実として持ち出していると考えます。

ではなぜ自分に自信を持たないようにする必要があるのか。それはその方がその人にとって都合がよいからです。自分に自信を持たなければ、新しいことにチャレンジしなくても誰かと積極的に接しなくてもよい。そうやって自分の殻にこもる言い訳ができる。

おそらくこの人には「他人は自分を評価するべき」「自分が良いと思ったものは他人も良いと感じるべき」といった理想があるのかもしれません。その理想に沿って行動した結果が、「認めてもらえないから自分に自信が持てない」というものだったのです。

もし自分に自信が持てない理由が「認めてもらえないから」ではなく「新しいチャレンジや人との関りを避けるため」なのであれば、ここを見直さない限りずっと自分に自信を持つことはできないと思います。

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◆今の行動の理由をどう見るか

これらに共通して言えることは、今の行動の理由をどう見るかによって「自分で変えられないもの」から「自分で変えられるもの」として見ることができるということです。

今の行動の理由を「過去の原因に突き動かされたもの」として見る以上、今は変えられないものになりその原因に従うしかありません。ただその理由を「未来への理想に向かうためのもの」として見れるなら、今はこれからどのようにも自分で変えていくことができます。

「できない」のではなく「したくない」

今の行動の理由を「未来への理想に向かうためのもの」として見る第一歩として、意識的には「~できない」と思っていても無意識的には「~したくない」と思っている。そんな考え方をおすすめします。

上の例で言えば「冷静に意見を主張できない」のではなく「冷静に意見を主張したくない」と考える。「自分に自信が持てない」のではなく「自分に自信を持ちたくない」と考える。

冷静に意見を主張したくないのは感情的に暴力的に怒ってしまった方が手軽に意見を通しやすいから。自分に自信を持ちたくないのはそうしていればいろいろな問題から逃げ出すことができるから。そのために「文句を言われたから」とか「他人に認められないから」という口実を持ち出していると考えます。

自分の人生に言い訳をしたり正当化をしたりしないように、そして自分の人生は過去に縛られたものではなく自分の意志で未来に向かって進んでいるものとしっかり思えるように、ぜひ今回の考え方をおすすめしたいと思います。

最後に

忘れられない過去がある、だから一歩を踏み出すことができない。これも同じことなんです。その過去をしっかり消化するまで時間がかかるかもしれません、人には言えない苦しみや分かち合える人がいない孤独感などもあるかもしれません。

ただそれが次の一歩を踏み出さないための口実として使われないように、忘れられない過去があるから自分は暗くても立ち止まっていてもいいという正当化の理由として使われないように、今回の考え方が少しでも参考になればと思います。

具体的でわかりやすい行動だけが次の第一歩ではありません。自分の中で少し考え方が変わった、世界の見方が変わった、それはすでに第一歩の始まりだと思います。

これからの長い人生、どうか過去に突き動かされ今を生かされているのではなく、しっかり未来への理想・目標に向かって自分の意志で生きていけますように。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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