毎日同じことの繰り返しでつまらない?「自分の世界」を知ろう。

モチベーション

こんにちは。
心理カウンセラーの幸跡です。

仕事や人間関係、そして自分の人生。毎日同じような仕事をして同じ人と付き合い、かけがなえのない自分の人生を有意義に過ごせていない気分になってしまう。そんなときが誰にでもあると思います。

そんな考えから脱却するためにはどうすればよいか、そもそも「なぜ毎日同じことの繰り返し」だと思ってしまうのか。

心理的な部分も踏まえてその対処法や理由について考えていきたいと思います。明日からの日々を充実したものとして見ることができるように、ひとつの考え方になれば幸いです。



人生は道ではなく今いる場所がすべて

まず最初に、「毎日同じことの繰り返しでつまらない」そう考えてしまう人にはふたつの共通点があります。

① “つまらない”という感情は今ではなく自分の人生全体に向けられているということ
②人生を長い一本道のようにとらえているということ

詳しく見るために、人生がどんな形をしているかふたつに分けて考えてみます。ひとつ目は、人生がゴールまで続く長い道のように考える場合。生まれてから死ぬまでの間いろいろな紆余曲折を経て、その最初から最期までを長い一本道で捉える場合です。

そしてふたつ目は、今生きている時間や空間が人生のすべてであると考える場合。今見ているものや感じているもの、考えていることなどが始まっては終わり始まっては終わりを繰り返し、その瞬間瞬間が人生のすべてと捉える場合です。

◆過去や未来をどう見るか

このふたつの大きな違いは過去や未来の存在。ゴールまで続く長い一本道と捉える場合当然過去や未来が今の自分に大きく影響してきます。そしてふたつ目の考え方の場合、過去や未来は今の自分には一切関係なく、今生きているこの瞬間だけが延々と続くことになります。

人生の形とは、このふたつ目「今生きているこの瞬間だけが延々と続く」形であるべきだと思うんです。「今がつまらない」「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と感じてしまう人は、往々にして人生を長い長い一本道のようにとらえ自分が今その道半ばにいると考えてしまいます。

なので、まだまだ先にあるゴールまでの道のりやこれまで歩んできた道を考え、これからも同じことをずっと続けていかなければならないのかと誤った思い込みをしてしまいます。まだない未来やもうない過去ばかりを考え「今」だけに集中することができなくなります。

◆仕事や人間関係も同じこと

たとえば「仕事」や「人間関係」も同じことです。仕事でこれまでより効率のよい方法が見つかった、前回は通らなかった自分の意見が通ったなど、毎日会う同じ人でもその人の意外な一面を知った、今までにない話題の話をしたなど、毎日何かしらの変化は必ずあるはずです。

仕事も人間関係も、ゴールまで続く長い道のりの道半ばにいると考えるのではなく、その瞬間瞬間で始まり終わる「今」が延々と続くと考える。そこには「同じこと」もなく「退屈」もなく「平凡」も「飽き」も「倦怠」もなく、ただ新しく始まって終わる瞬間瞬間があるだけです。

極論を言えば、毎日同じ繰り返しと感じてしまうのは今の自分を好きになれないからです。なぜ今の自分を好きになれないのかというと、今の仕事や人間関係、自分の抱える諸問題としっかり向き合い自分のすべきことをできていない実感があるからです。

そしてなぜ「今」と向き合えないのかというと、人生を長い長い一本道のように捉え自分が常にその道半ばにいると思ってしまい活力が失われてしまうからです。

人生は長い道ではなく今いる場所がすべて、今している仕事や話している人や見ている景色やその瞬間瞬間がすべてで、常に新しく始まりと終わりを繰り返している点のようなもの。まずはこの考え方が平凡で繰り返しの人生と感じてしまう脱却の一歩になると思います。

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人間は「今」以外は生きられない

ではなぜ人生は道ではなく今いる場所がすべてと考えるべきなのか。それはシンプルに、人間「今」以外を生きることができないからです。

自分の人生を長い道のようにとらえ、過去に○○があったから今がある、将来○○するためには今これをやらないといけない。このようにひとつのストーリーのように考えるのは魅力的だし楽しいかもしれません。

もちろんこれでしっかり今を生きる活力が持てる人はそれでもいいんです。そういう人はしっかり過去は過去、未来は未来と置いて、現実の今に注目できていると思います。ただ問題なのは、人生を道のように考えることによって「ただの繰り返し」「つまらない人生」と感じ今を大切にできず立ち止まってしまう場合です。

◆「今」に注目できないときの条件

人間は今しか生きることはできない、過去や未来にタイムスリップすることもできない。そんなことは誰だってわかっています。

でもどうして「今」だけに注目して生きることができないのか、ついつい過去を憂いたり未来がぼんやりと見えた気になってしまうのか。先ほどの「人生を道のように考えている」というのもそうですが、今に注目して生きられないときには決まってある条件が揃っているんです。

それは「自分はこうありたい」という理想よりも、それに対する劣等感が勝ってしまっているときです。少し詳しく解説します。

◆誰もが持つ理想と劣等感

人間は誰でも、無意識的な理想や信念に沿って常に今の自分よりよくありたいとその方向に向かって行動します。その内容の善悪は置いておいて、どんな結果であり自分にとってプラスになる行動しかできません。自分にとって都合の悪いことを積極的にする人はいないということです。

本来それは勉強や練習など健全な努力によって達成されるべきですが、中には健全な努力ではそれが叶わないと感じてしまう人がいます。そういう人は次にたとえ不健全な形であっても自分の理想を叶えようとします。

たとえば「世界は楽しいところであるべきだ」という理想を持っている人は、まずは人の役に立とうとしたり自分を好きになろうとしたりしてその理想に近づこうと努力します。

でもここで役に立つことをしていると思っても期待するような反響や評価を得られない。するとそんな世界や自分をどんどん嫌いになっていき、とうとう努力することをやめてしまいます。でも「世界は楽しいところであるべきだ」という無意識的な信念は残ったまま。その理想と現実とのギャップからどんどん劣等感が強くなっていきます。

◆すべては自分の理想に向かう行動

たとえば「自分の人生は充実しているべきだ」という理想がある人も、最初は充実するために仕事に精を出し人間関係にも積極的に参加し、周りのいろいろなことに興味を持とうとするでしょう。

ただ仕事で思うような成果が出せなかったり、人間関係に馴染めなかったり裏切られたりして、ある日その努力をやめてしまいます。それでも「自分の人生は充実しているべきだ」という理想は無意識的に残り続け、また理想と現実との比較から劣等感が強くなります。

そんなときどうするか、「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と考えるんです。そして目の前にある「今」に注目することをやめて、人間が「今」以外を生きることができないということも忘れて過去や未来を見始めます。 

現在起こっていることよりも過去の思い出や未来への可能性に注目し、今すべき努力をせずに「自分の人生は充実しているべきだ」という理想を叶えようとします。

ただこれは健全な姿とはいえません。なぜなら、変えられないものにすがり変えられるものを変える努力を放棄してしまっているからです。

人間は「今」以外を生きることはできず、どんなに過去に良い思い出があっても未来への可能性を信じていても、それを生かすのも殺すのも「今」次第です。更には、その思い出や可能性を信じているのも今の自分。今の自分が「それは良い思い出」であり「未来には可能性がある」と信じようと決めているんです。



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変えるべきは世界ではなく自分の世界観

「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と考えてしまうことから脱却するためには、人生は道ではなく今いる場所がすべてであると思えることが必要。そして過去や未来にとらわれずひたすら「今」に注目し「今」を生きていくことが大切になります。

とはいえ、一言でそう言っても簡単に変われるものでもありません。それではどう考えていけばよいのか、それはまず今の自分の世界観を知り、変えていくことです。

世界観とはよくその人らしさやその人独自の考え方のように使われることがありますが、これは「その人が世界をどう見ているか」ということです。その人にとって世界がどんな場所でありどんな人が暮らしているのか。その人特有の世界の見方が世界観です。無意識的な性格や信念とも言えるのではないかと思います。

「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と感じてしまう人は、世界は冷たく危険なところでそこで暮らす人は自分のことなんかに関心はなくてみんな敵だらけ、おそらくそんな世界観を持っているのではないかと思います。

だから冷たく危険なところに踏み込まず、敵である他人にも関わらないようにする。そのためには「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と思い込み周りに興味を持たず、自分の世界にこもる必要があるんです。

◆意識的に世界観は変えられない

ではその世界観を変えればいいという話になりますが、人間は意識的に自分の世界観を変えられるほど器用ではありません。世界観は変えるものでなく、無意識的に変わった後に意識的に気づくものです。

なぜなら、意識的に「世界観を変えよう」と思うその考えもまた同じ世界観によってつくり出されているものだからです。同じ世界観という舞台上で考えられている以上、その上で役者やセットが変わったとしてもそれは同じ舞台で繰り返される別の演劇です。

なので世界観を変えるには自分の考えや思考に頼らず、行動をした後にその結果から気づくしかありません。これは間違っている、これは意味がない、そう思って踏みとどまるのではなく、とりあえず目の前にある仕事や人間関係や諸問題から逃げずに向き合う必要があります。

その結果がどうであれ、「自分の課題を自分で解決できる」という自立心は必ず今の自分を受け入れ好きになることに繋がります。他人や環境・世界を変えようとするのではなく、他人や環境・世界を自分がどう見るかを変えなくてはなりません。

目の前にある問題をひとつひとつ乗り越え、気づいたときには自信がつき自分を好きになっている。そのとき他人や世界の見え方も必ず変わっています。「毎日同じ繰り返しでつまらない」と感じるのは、自分を好きになれないため他人や世界も好きになれないだけなんです

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変えられるものだけに注目する

目の前にある諸問題と向き合うとき、大切な心構えがあります。それは「自分が変えられるものだけに注目する」ということ。

たとえば会社の経営方針や運用や価値観など、または他人の性格や自分に対する態度など。これらは自分の力では変えることができません。

こうした変えられないものに固執するのではなく、会社の方針で気に入らない部分があったら、納得できるようになぜその方針が立てられそれに沿って運営されているのか理由を調べてみる。他人に好かれたいなら、その人の興味があることに自分も関心をもってまずこちらから接してみる。

明らかに理不尽で不正を強要するような方針などであれば、そんな会社はこちらから去るべきだし、どうしてもその人を好きになれないなら、自分を大切にしてくれる人に時間を使った方がよほど豊かな毎日になります。

◆充実した毎日を送るために

変えられるのは自分だけ。他人も社会も世界も変えることはできません。そこに固執しすぎると、どうしても被害者意識が生まれ周りが敵ばかりのように思え、自分は変わろうとしないまま変わらない世界を皮肉るようになってしまいます。

その結果、また「今このとき」を大切にできず、人生は長い線で自分はその道半ばをさまよっているように感じ、毎日が繰り返しでつまらないものと感じるようになってしまいます。

変えられるものだけに注目し、今自分ができることを全力を注ぐ。それで悔しい結果や悲しい結果になったとしても、必死に生きる今が延々と繰り返される毎日は間違いなく充実したものになります。

苦悩や困難がない人生なんてありえません。それを避けようとするから毎日から温度がなくなりモノクロになり、「繰り返しでつまらない」日々になってしまうんです。

今すべきことをし続け自信が生まれ自分を好きになる。自分に自信や価値を実感できれば他人や世界の見え方が変わる。それを体感し世界観が変わったことに気づくときがくれば、間違いなくそこに幸せもあります。

時間もかかるし努力も必要です。でも誰もがこの幸せに挑戦する権利はあります。「毎日同じことの繰り返しでつまらない」という日々から脱却するために、どうかまずは目の前の「今」を大切に。

一生幸せになれない、自分だけ幸せになれない。それは自分の決断。
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最後に

「毎日同じことの繰り返しでつまらない」と感じてしまう人は、人生を長い一本道のようにとらえ自分がまだその道半ばにいると考えてしまいます。そして自分があるべき姿と考える理想から程遠い現実を見て劣等感にも苛まれてしまいます。

目の前にある「今」だけに注目し、他人や世界を変えようとせず、自分が他人や世界をどう見ているかというその世界観を変えていく努力をする。

「毎日同じことの繰り返しでつまらない」というのは、言い換えれば「毎日別の出来事が起こらなければつまらない」ということ。そんな毎日はどんな人であってもありえないし、もしそれが真理なら誰も充実した毎日を過ごすことができないということになります。

多くの人が日々「繰り返しのような毎日がつまらない」と感じてしまっていると思います。そんなときはどうか、ただ自分が毎日をつまらないものとして見ようとしているだけということ、そしてそれは自分次第で変えていくことができるということを思い出してください。

最後までお読みいただきありがとうございました。



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