職場や家に自分の居場所がない。その理由や原因を徹底解析!

心理・メンタル

こんにちは。
心理カウンセラーの幸跡です。

自分の居場所がないと感じる、孤独を感じる。その苦しみは味わった人にしかわかりません。そしてこれは人の活力をすべて奪ってしまう危険な状態です。少しでも早く、その状態から脱却しなければなりません。

居場所がないと感じるときの心の働き、なぜそもそも人は居場所を求めるのか、そして自分の居場所を感じるにはどうすればよいのかなど。

それぞれの観点から、居場所を感じられない理由や原因、対処法などについて徹底的に考察していきたいと思います。この辛い状況から少しでも早く抜け出せるように、ひとつの考え方のヒントになれば幸いです。



居場所を感じられないときの心理

居場所を感じられないと思ってしまう。この状態にあると、活力は奪われ、人生が曇り、自分の存在価値を疑ってしまい、豊かで幸せな毎日はどんどん遠ざかってしまいます。

そのとき、人の心には3つの心理が働いています。

1、自分を好きになれない
2、他人を味方と思えない
3、他人や社会の役に立っていないと感じる

まずは自分を好きになれず自信もなく、きっと周りも自分のことなんてどうでもいいと思っているに違いないと考えてしまう状態。次に、他人を味方と思えず常に敵視してしまう状態。まるでみんなが自分を常に攻撃しようとしているのではないか、弱みを探そうとしているのではないかと感じてしまう状態です。

そして、他人や社会の役に立っていないと感じてしまう状態。これはおそらく思ったような評価やお礼や賞賛が得られない状態が続いたり、失敗を次に生かせず燻ってしまう時期が続くときに起こりやすいのではないかと思います。

それぞれとても辛い状態で、この世界からひとりつまはじきにされてしまったような気持ちになります。これらはあくまで事実ではなく主観的な思い込みなのですが、この状態で冷静にそう捉えることも困難かと思います。

ただ「どこにも居場所を感じられない」そう思ってしまうときは、まず自分の中でこのような心理が働いていると理解するだけで気持ちが楽になるし次に進む足がかりになります。

もう少し掘り下げて考えていきます。

人に好かれるには?その方法はシンプル。好かれる人の特徴も!
こんにちは。心理カウンセラーの幸跡です。 人に好かれたい、人に認めてもらいたい、理解してもらいたい。どんな人にも少なからずある普遍的な欲求だと思います。人から好きと言ってもらえれば誰だって嬉しいし、賞賛されれば自信が持てたりもしますよね。 ...

3つの心理の関係

1、自分を好きになれない
2、他人を味方と思えない
3、他人や社会の役に立っていないと感じる

この3つはそれぞれ独立しているのではなくすべてが繋がり結びついているものです。さらには「不幸な人生」や「居場所がない人生」という今の自分をつくる全体のひとつひとつの側面でしかありません。

なのでそれぞれをひとつとだけ向き合うのではなく、関連するものとしてその全体を考える必要があります。

◆ 3つの心理による循環構造

自分を好きになれない。自分の魅力や長所がわからず自信を持つことができない。そうすると無意識的に「こんな自分なんて誰も好きになるはずがない、みんな嫌っているに違いない」そう思い込むようになります。すると次の段階としてどうなるか。

周りの人たちを信頼できず敵だと思うようになるのです。みんな牙をひそめて隙あらば自分を攻撃しようとしているのではないか、陰で悪口を言っているのではないか。だって自分はこんなにダメだから。こうして周りの人たちの行動が何一つ変わっていなくても、自分で周りを勝手に敵視するようになっていきます。

そんな敵には当然何かをしてあげようとか協力しようという気持ちにはなれません。そうしている内に、自分は他人や社会の役に立っていないと痛感します。

そしてさらにそんな自分を嫌悪し、どんどん自分が嫌いになって自信もなくなって、そうするとさらに味方を感じられず敵視するようになり・・・。この悪循環が延々と続くことになります。

◆自分を認める大切さ

ここで逆の流れを考えてみます。もしも自分に自信が持てて認めることができて、好きになることができたら。そうすると、その後の流れもすべて逆転していきます。

自分自身を認めていて自分にできることできないこともわかっていて、自分は自分、他人は他人としっかりわきまえることができている。そうすると、今度は周りの人たちを信じない理由も敵と思う必要もなくなります。

中には理不尽なことを言ってくる人もいるかもしれません。ただ自分にできることできないことがわかっていて、自分と他人は別と自覚ができていれば、「この人はそういう人」「自分が考えることではない」とスルーすることもできます。そしてそういった人とは自然と心理的な距離をおいていくでしょう。

周りを敵視する必要がなくなりその人たちを信じようとする、そうするとその人たちはだんだんと味方と認識されるようになっていきます。家族や友達、周りの親しい人を思い浮かべてほしいのですが、その人たちが困っていたら協力もするし助けてあげたいとも思いますよね。

自然な笑顔は人を幸せにする。そこから学べる人を救うための方法。
こんにちは。心理カウンセラーの幸跡です。 誰かを救い、誰かを守り、誰かを幸せにしたい。生きている中できっと誰もが体験するだろう大切で尊い気持ちです。 その気持ちは、しっかり相手に届きそしてその人のためになるべきものですが、使い方や自分の状態...

そうして自分の行動が誰かしらの役に立っていることを実感し、それこそ思い込みでよいので自分は他人や社会に貢献できていると思える。そうするともっと自分が好きになり自信も持てるようになってきます。

このときすでにそこが自分の居場所になっていて、どこにも居場所がないという気持ちなどなくなっていると思います。

自分を認めること、すべてはそこから始まります。短所は長所として自覚する。高すぎる目標や理想ばかりを見ずしっかり達成できている成果を見て、結果だけでなくそこまでの過程とそれに伴う成長に目を向ける。どんな些細なことであっても。

そして人との競争や勝敗ではなく、あくまで自分がどれだけ協力できたか貢献できたかを重視する。こうして少しずつ少しずつ自分のことを認めていくことが、居場所を実感するための第一歩になります。

人間の最も根本的な欲求

ここで「人間は居場所を求めて当然」という内容について考えてみます。「居場所が欲しい」は人間の最も深いところにある欲求です。みんなわかっているんです。人間は弱いからひとりでは生きられない、社会的に世間的にということではなく、そもそも生命を保つことができないということを。

狩りの時代からこれだけ文明が発達した現代まで、いずれの時代もそれぞれに役割があり分業制度があり、世界のひとりひとりが協力し合って生きています。どんなに自分のことしか考えていないと思っている人でも、何かしらの仕事をしている限り必ず誰かの役に立っています。

誰でもひとりでは生きていけない、本能的にはそれがわかっています。だからこそいつでも居場所を求め孤独になることに恐れを感じるんです。

中にはその居場所をとうとう見つけられずに自ら命を絶ってしまう人もいます。

自殺をするのは人間だけ。命の存続よりも、自分の居場所を求めることの方が強く最も深いところにある欲求であることの証拠ではないかと思います。




居場所は与えられるものではなく気づいたらできているもの

1、自分を好きになれない
2、他人を味方と思えない
3、他人や社会のに立っていないと感じる

先ほどこの3つの心理状態についてお伝えしましたが、これらは「周りの人たちは自分に何をしてくれるのか」と考えながら他人と接しているときに生まれます。そう考えながら周りが実際何もしてくれないときに、この気持ちが生まれそれが孤独を感じたり居場所がないと感じてしまう状態を招きます。

◆他人と接する基本姿勢を変える

ただここで、他人と接する姿勢が「周りの人たちは自分に何をしてくれるのか」から「自分は周りの人たちに何ができるのか」に変わった瞬間、孤独という概念も居場所がないという状態もすべてがなくなります。なぜならそこが既に自分の居場所になるからです。

職場でみんなが向かっている目標や力を入れいてる仕事があるなら、それを一緒に頑張ってみる。できることはないか声をかけてみる。家の中で家族が楽しみにしているものに興味を持ってみる。家の中の仕事や行事に積極的に参加する。

常に意識は「自分は周りの人たちに何ができるか」を基準にして行動します。「周りの人たちは自分に何をしてくれるのか」と考えてしまうと、自分の行動がすべて見返りを期待した薄っぺらく偽善的なものになってしまい、それは必ず周りに察知されます。

◆自分の意志ひとつでそこが居場所になる

同じ場所でも、誰かが消しゴムを拾ってくれればそこは自分の居場所と言い、誰も拾ってくれなければここには居場所がないと言うんです。拾ってくれるかどうかは相手が決めることなので、こちらから強要したりコントロールすることはできません。

そういった他人任せの判断ではなくて、いつもこちらから消しゴムを拾ってあげる。それだけを考えるんです。そうすればどんなときでも自分の意志ひとつでそこが自分の居場所になります。

自分の居場所は、誰かに用意されるものでも人から譲られるものでも目の前に突然現れるものでもありません。その場所を自分の居場所として見ているか見ていないかがすべてで、それは往々にして気づいたらできているものです。

居場所を理解するのではなく体感する

居場所があるないというのは、どこまでも主観的なもの。自分があると思えばあるし、ないと思えばないものです。そのとき客観的に見た”その場所”は何も変わっていません。そこにいる人も、その人の毎日も何も変わりません。変わったのは、自分の頭の中だけです。

そしてその頭の中で考えられていることは、この後の不安だったり、これまでの失敗の回想だったりと新しい行動を鈍らせるものばかりです。

居場所とは頭で理解しようとするものではなく、居場所があるという感覚を実際に体感するものです。「○○ということが居場所があるということです」ではなく、「あ、これが居場所があるということか」と体感するものなんです。

その体感のためには、一切の考えは邪魔になります。なぜならそのとき考えることというのは、新しい行動を拒否し今の状態をどうやって維持しようかというものばかりだから。変わることを怖れ変わらないための理由探しばかりをしてしまうんです。

◆今すべき目の前のことに集中

なので、常に「今起こっていること」だけを見て「今すべきこと」だけをする。過去の後悔も未来の不安も考えず、今目の前に起こっていることだけに集中する。それを延々続けていくのです。

そのとき常に心に留めておきたいことは「自分は周りの人たちに何ができるか」という接し方。そして自分を認め好きになり、人を味方と信じ、その人たちに貢献をしていく。それが行動理念であること。

それを心に置いて、難しいことは考えずに「今すべきこと」だけに集中して生きていければ、気づいた頃には「今すべきこと」をこなしているその場所が自分の居場所になっています。正確には同じ場所であっても自分の居場所と認識し体感できるようになっています。

最後に

どこにも居場所がない、孤独を感じる。そう考えてしまうときは、決まって自分を好きになれず人を信頼できず誰の役にも立てておらず、という心理状態にあります。

どこかに属するという欲求は命の存続の欲求よりも根深いもの。つまり、今を生きているということはまだどこかしらに居場所を感じられているからなんです。今だってこれまでだって、居場所はあり続けているし、あとはそこを自分の居場所として見るか見ないかという自分の勇気と決断にかかっています。

まずは人との接し方を「周りの人たちは自分に何をしてくれるのか」から「自分は周りの人たちに何ができるのか」に変えてみること、そしてどうなるかわからない未来や変えられない過去に執着せず「今すべきこと」だけを見つめること。

その先にいるのが、自分を認め他人を信頼し人や社会に役立てていると感じられる自分です。

「何かできることはない?」「協力できることがあれば言ってください」と声をかけてみましょう。自分の行動にいちいち見返りや評価を求めるのではなく、その行動が自分で正しいと感じられるものならしっかり自分で自分を評価しましょう。

大きすぎる理想ばかりを見て現実の自分を必要以上に小さくするのはやめて、理想に向けて大きくなっていく自分のそれをちゃんと”成長”と自覚しましょう。そうやって少しずつ自分の居場所を体感していくんです。

もし自分の居場所がないと感じながらこの記事を読んでいる方がいたら、「自分の居場所がない」のではなくその場所をただ「自分の居場所として見ないようにしている」だけなんだと考えて、一歩一歩前進していってもらえることを願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。



タイトルとURLをコピーしました